アパレル企業のSNSの取り組み
今の時代のアパレルビジネスはSNSマーケティングや販売スタッフの「個」の魅力の活用が重要な要素になっている。それだけで業績の全ては決まらないが今回はそこだけに集中して語っていきます。
バロックジャパン
平成のギャルブームの聖地「渋谷109」のカリスマ販売員らが立ち上げたブランド「MOUSSY(マウジー)」を要するバロック。
「カリスマ販売員」という言葉の生みの親と言っても過言ではないだろう。そんな会社の生い立ちからかバロックの企業風土として「個」の尊重と活用が根強くあると思う。
過去には「rienda girls(リエンダガールズ)」なる販売員のユニットを立ち上げ、ブランドの広告塔やファッション誌などのモデル活動を行なっていたり、
各ブランド事に「ビジュアルスタッフ」や「オフィシャルスタッフ」を選考してブランドの顔として打ち出している。
影響力のあるカリスマを生み出す仕組みが企業風土としてあるのだろう。
カリスマスタッフ達はその後自身でブランドを立ち上げ、活躍の幅を広げている。
先日も紹介した「STAFF START」によりECの売上も個人の売上として見える化して、売上によりインセティブ(報奨金)としてのフィードバックを行なっている。報奨金など直接還元がある事はかなりモチベーションに繋がっているだろう。
2022年2月期2Qの決算補足説明資料によると
STAFF START主催の「STAFF OF THE YEAR2021」というオンライン接客コンテストでバロックのスタッフがなんとワンツーフィニッシュ。
営業終了後に行う30分のライブコマースがその日の店舗売上を上回る事もあるらしい…
すでに成果が出ていそうだ。
さらに直近ではファッションECマガジン「SHEL’TTER」にて
バロック初のスタッフを特集したSHEL’TTER MOOKを刊行したらしい。
こちらもスタッフに焦点を当てていて良いですね。
SNS経由の売上もインセンティブとしてフィードバック
フォロワーが数万人のカリスマスタッフが多数いる
カリスマスタッフとして「個」を引き立てる企業風土
SNSマーケティングと「個の時代」という面ではくろすけ的にかなり高評価です。
古い体質のアパレル企業という感じは全くありません。
パルグループホールディングス
続いてはパルグループHDです。
最近ではアパレルセグメントより雑貨セグメントの「3coins」に勢いがあります。
パルもスタッフのSNSのフォロワー数に応じて報奨金を出す等、個を強化する方針に舵を切っています。1万人以上のフォロワーがいれば月々の給与に手当がつくので金額の程はわかりませんがインセティブがはっきりしていてスタッフの意欲も高そうですね。
上位者は表彰もされるとあって競争意識も高そうですね。
自社ECサイトにもスタッフランキングが設置されていて各スタッフのInstagramへのリンクもありフォロワー獲得への導線になっています。
後述する企業の自社ECサイトではこの各スタッフへのInstagramへのリンクが見た目控えめな印象や、そもそもリンクしてない事もあるので、小さい事かもしれませんが評価ポイントになります。
個を活かすプロモーションとしては
STAFF START導入のタイミングでKASTANE、Chico、Lui’sの3ブランドの人気スタッフをフューチャーしたコンテンツを作成しています。
出典:PAL STAFF THEREE FASHION STORIES
過去には格安航空のpeachとコラボで女子旅コンテンツなどスタッフを押し出すプロモーションも行なっています。
主にKASTANEというブランドが強いっぽいですね。
ただKASTANEの売上規模が小さいので(全社売上1,320億円 KASTANE 43億円)
このあたりの評価は何とも言えない感じです。
ただKASTANEの店舗数は23店舗なので1店舗あたり2億円弱と見れば優秀な気もします。
KASTANEはパルグループの中でも小型店なので坪あたりの売上でいうと良いかも。
- SNSフォロワー数に応じて給与に上乗せ
- スタッフを押し出すコンテンツを作成
- スタッフ経由のEC売上を見える化し評価で還元
スタッフを活かした取り組みができていています。
はっきりとした金銭的なインセティブがあるのは会社として取り組みを進めて行く姿勢が感じられます。
次回はもう2社程語っていけたらと思います。
しつこいですが、色々な要素が絡まり合って企業業績が決まってきますので今回お伝えしたものは参考程度にして頂けたら幸いです。
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